第2話|日本人が30年間忘れていた「金利」の凄さ。100万円は30年でいくらになる?
前回は、
「100万円は5年後も本当に100万円なのか?」
という話を書きました。
通帳に書かれている数字は100万円のままでも、物価が上がれば、その100万円で買えるものは少なくなっていく。
だから、
「100万円という数字を守る」
だけではなく、
「100万円で買える価値を守る」
という考え方も大切なのではないか。
そして、お金をただ眠らせるのではなく、一部のお金には働いてもらう。
そんな話を書きました。
今回は、その最後に少し触れた
「金利」
についてです。
自分たち日本人は、長い間、
「銀行に預けてもお金は増えない」
「金利なんて、ほとんどないもの」
という感覚で生活してきました。
30年近くそんな時代が続けば、それが当たり前になるのも当然です。
ある意味、
この30年ほどの日本では、
「金利の力を知らなくても困らない時代」
が続いていたのだと思います。
でも今、その常識が少しずつ変わり始めています。
ここで一度、
「金利って、そんなにすごいものなの?」
ということを考えてみたいと思います。
例えば100万円を持っていたとします。
仮に、この100万円を年5%で運用できたとします。
最初の1年で、
100万円は105万円になります。
ここまでは、
「5万円増えただけ」
です。
でも大事なのは、その次です。
2年目は、最初の100万円ではなく、
105万円に対して5%がつきます。
つまり、
お金が生んだお金が、
さらにお金を生み始めます。
これが「複利」です。
この状態が続くと、
100万円は、
10年後には約163万円。
20年後には約265万円。
そして30年後には、
約432万円になります。
100万円が、
約4.3倍です。
これ、
30年間ほとんど金利を意識せずに生きてきた日本人にとっては、
かなり衝撃的な数字ではないでしょうか。
5%と聞くと、
「たった5%」
と感じるかもしれません。
でも、
5% × 時間
になると、話は全く違ってきます。
これが金利の凄さであり、
時間の凄さでもあります。
長いデフレと超低金利の中で生きてきた自分たちは、
「お金は置いておいても増えない」
という感覚に慣れすぎていたのかもしれません。
でも本来、
金利がある世界では、
お金は時間とともに増える力を持っています。
もちろん、
「30年間ずっと5%で、しかも絶対に元本が減らない商品が簡単にある」
という話ではありません。
投資商品なら値下がりすることがあります。
外国の商品なら為替もあります。
債券でも、途中で売る場合には価格が変わることがあります。
なので、
「5%の商品を見つければ安心」
という単純な話ではありません。
自分が伝えたいのは、
金利が数%あるということ自体が、
長い時間ではとてつもなく大きな力になる、
ということです。
例えば単純に100万円を30年間複利で運用すると考えると、
0%なら、100万円のまま。
2%なら、約181万円。
3%なら、約243万円。
4%なら、約324万円。
5%なら、約432万円。
※税金や手数料などを考えない単純計算です。
こうして見ると、
1%の違いも、
30年間ではとても大きな差になります。
そして自分が面白いと思うのは、
これが若い人ほど有利だということです。
20代の人と50代の人では、
持っている100万円の価値が違う、
という意味ではありません。
でも、
その100万円を働かせられる「時間」が違います。
30年、40年という時間そのものが、
ものすごく大きな資産なんです。
そして今、日本にも少しずつ金利が戻ってきています。
実際、2026年10月募集の個人向け国債でも、固定5年は年2.39%、変動10年は初回年2.05%という水準になっています。
長い間、
「安全性を重視すると、ほとんど増えない」
という感覚だった日本にとって、
これはかなり大きな変化だと思います。
だからこそ、
この30年間の感覚のまま、
「金利なんて考えても仕方がない」
と思っていると、
これからは逆に機会を逃してしまうかもしれません。
もちろん、
だから全部を国債にしよう、
という話でもありません。
前回と同じで、
大事なのはバランスだと思っています。
現金も必要。
不動産もある。
株もある。
債券もある。
そして、
いつ使うお金なのか。
どこまでリスクを取れるのか。
今、物価はどう動いているのか。
金利はどうなっているのか。
それによって、お金の置き場所は変わってきます。
ただ一つ言えるのは、
これまでの
「お金を銀行に置いておいても増えないから、金利なんて考えなくていい」
という感覚のままでいい時代ではなくなってきた、
ということです。
これからは、
「自分のお金をどこに置けば、どう働いてくれるのか?」
を考えることが、
以前よりずっと大切になってくると思います。
そして、ここでもう一つ面白いことがあります。
金利は、
お金を持っている人には、
お金を増やしてくれる力になります。
ところが、
お金を借りている人にとっては、
まったく逆です。
同じ5%でも、
受け取る5%と、
支払う5%では、
世界が真逆になります。
特に不動産投資では、
何千万円、何億円というお金を借りることがあります。
そうなると、
「たった1%」
が、全く「たった」ではなくなります。
次回は、
「金利は敵なのか?味方なのか?」
そして、
「金利が上がる時代に、お金を借りるということ」
について考えてみたいと思います。
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