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「棟下2枚残し」の一言で、どこまで工事内容を理解できますか?屋根の葺き直し工事で実際に起きた“契約書と認識のズレ”

9月14日
読了時間: 10分

/

私は長年、建築・リフォームの仕事に関わってきました。

自分自身でも施工をしますし、大家として業者さんに工事をお願いすることもあります。

だからこそ今回の出来事は、

「業者が悪い」

「施主が悪い」

という単純な話ではなく、

見積書に書かれた一言を、双方が同じ意味で理解していたのか?

という、とても大きな問題だったと感じています。

今回は、実際に起きた屋根工事を例に、大家さん、施主さん、そして施工業者さんにも考えてもらいたいと思い、記事にしました。

今回お願いしたのは「屋根の葺き直し工事」

今回お願いしたのは、新しい屋根材に全部交換する「葺き替え」ではありません。

既存の瓦を一度外し、

防水シートを施工し直し、

再び既存瓦を戻す、

いわゆる葺き直し工事です。

見積金額は55万円。

見積書には、

「既存瓦脱着」

「瓦桟撤去・処分」

「ルーフィング貼付け」

「新規瓦桟取付」

などが記載されています。

そして今回、最大の争点になった一文があります。

それが、

「棟下2枚残し・ケラバ1枚残し」

という記載です。

「2枚」と「2列」は同じなのか?

ここが今回、私が一番重要だと思っているところです。

見積書に書いてあるのは、

「棟下2枚残し」

です。

「棟下2列残し」

とは書いてありません。

しかし、実際の施工について確認していくと、単純に瓦を2枚だけ残したという話ではなく、棟下について二列分を残した施工になっていました。

さらに重要なのは、その残した範囲について、

新しいルーフィング、防水シートも施工していない

ということでした。

私は、ここを全部一つの話にしてはいけないと思っています。

今回の問題は少なくとも、

① 見積書には「棟下2枚残し」と書いてある

② 実際には棟下を二列分残している

③ さらに、その二列分について新しい防水シートも施工していない

この三つに分けて考える必要があります。

「瓦を残す」と「防水までやらない」は同じ意味なのか?

これは施工する側と施主側で、かなり認識が違う可能性があります。

仮に、

「棟を積み直さない」

という意味だったとしても、

それと、

「棟下の瓦を二列分外さない」

という話は別です。

さらに、

「その下の防水シートまで新しく施工しない」

という話も、私は別問題だと思っています。

もし工事をお願いする前に、

「ここは二列分めくりません」

「この部分には新しい防水シートも入りません」

「ここは既存の防水状態のまま残します」

と具体的に説明されていたなら、施主側も、

「それならやる」

「それならやらない」

を判断できます。

しかし、

「棟下2枚残し」

という一文だけで、

二列分を残し、

さらにその下の防水まで施工しない、

というところまで一般の施主が理解できるのか。

これは今回とても考えさせられました。

なぜ55万円でもお願いしたのか

実はこの業者さんには、以前にも屋根工事をお願いしています。

以前の工事は、新しい屋根にする葺き替え工事でした。

金額は税込92万円。

その時は、

既存瓦の撤去、

下地補修、

コンパネ施工、

防水シート、

新しい屋根材、

などまで含んだ工事でした。

今回の55万円の工事では既存瓦を再利用します。

つまり、

新しい屋根材の大きな材料費、

既存瓦全体を撤去・処分する費用、

コンパネ施工など、

前回には必要だった費用のかなりの部分が減っています。

もちろん建物も工事内容も違うので、

「92万円だったから55万円は高い」

と単純比較するつもりはありません。

しかし逆に言えば、

材料費や処分費をかなり抑えられる工事で55万円を払うのだから、施工技術や手間に対してきちんと対価を支払い、防水についてもしっかり施工してもらう工事

という認識が私にはありました。

安くやってもらいたいわけではありません。

私はリフォームを仕事にしているので、

ちゃんとした工事には、ちゃんとした対価を払うべき

だと思っています。

だからこそ、

必要な防水範囲まで施工しない工事だと分かっていれば、

私はその内容でお願いしていませんでした。

「工事は完了しました」と言われた後に雨漏り

さらに大きな問題が起きました。

屋根工事後、

「葺き直し工事自体は完了しているので、外壁も内装も進めて大丈夫」

という趣旨の説明を受けました。

そこでこちらも、

屋根の重要な工事は終わったのだと思い、

天井や床など、次の工事を進めました。

その後、実際に雨漏りが発生しました。

ここについて、私は現段階で、

「棟下を施工しなかったことが雨漏りの原因だ」

と断定するつもりはありません。

原因はきちんと確認する必要があります。

ただ、

「屋根工事は完了している」

と言われ、

その説明を信頼して次の工程に進んだ後に雨漏りした。

これは施主側にとって非常に大きな問題です。

天井や床にも影響が出れば、

屋根だけの問題ではなくなります。

結局、自分でブルーシートを掛けることに

雨漏りが起きた以上、放置するわけにはいきません。

対応まで時間がかかれば、

雨が降るたびに室内被害が広がります。

そこで、これ以上被害を広げないため、

こちらで屋根にブルーシートを掛ける対応をしました。

当然そこにも、

材料、

人工、

時間、

費用、

が発生します。

そして天井や床についても、やり直さなければならない部分が出てきました。

こうなると、

「屋根工事55万円だけの話」

ではなくなってきます。

さらに気になった「瓦側面へのコーキング」

雨漏り後には、瓦の側面部分へコーキングをする補修も行われました。

ここも私は少し疑問に感じています。

コーキング自体が屋根工事ですべて悪いわけではありません。

使う場所もあります。

ただ今回については、

雨水が入る根本原因を確認して防水構造を直したというより、

外側から塞ぐ応急的な処置に見える

という点です。

もしこれが応急処置なら、

それはそれで説明してもらえばいい。

問題は、

これを「修理完了」としていいのかどうかです。

応急処置は、次の本工事を高くすることもある

さらに困るのが、

後から別の業者にきちんと修理をお願いする場合です。

すでにコーキングされていれば、

それを撤去し、

清掃し、

場合によっては瓦や周辺を処理し、

その上から本来の施工をやり直すことになります。

つまり、

応急処置をしたことで、次の本施工の手間と費用が増える

可能性があります。

雨漏りが止まらなければもちろん困ります。

でも、

「今だけ止める」

ことで、

後の工事が大変になるケースもある。

屋根は特に、その場だけを見るのではなく、

次にどう直すのかまで考える必要があると改めて感じました。

今回、業者さんに確認した8つのこと

今回私は、

相手を責める文章ではなく、

「まず双方の認識を整理しましょう」

という形で話を進めることにしました。

確認したい内容は次の8点です。

1.なぜ「2枚」が「二列」になるのか

見積書には、

「棟下2枚残し」

とあります。

なぜこの記載が、

実際には二列分を残す工事になるのか。

まずそこを説明してもらいたい。

2.なぜ防水シートまで施工しない意味になるのか

仮に二列分を残すとしても、

なぜ、

「その部分の新しいルーフィング、防水シートも施工しない」

ところまで、この一文に含まれるのか。

3.契約前にどう説明した認識なのか

二列分を残すこと。

そして防水シートを施工しないこと。

この二つについて、

工事前にこちらへどのように説明したという認識なのか。

4.工事完了後に雨漏りしたことをどう考えるか

「屋根工事は完了している」

という説明を受け、

こちらが次の工程を進めた後に雨漏りが発生しました。

この経緯についてどう考えているのか。

そして現在、雨漏りの原因をどう考えているのか。

5.コーキングは恒久修理なのか応急処置なのか

瓦側面へのコーキングについて、

恒久的な修理として行ったのか。

それとも応急処置なのか。

6.次の業者が直す場合の追加費用をどう考えるか

コーキングを撤去・清掃してから施工し直す場合、

追加費用が発生する可能性があります。

その負担をどう考えるのか。

7.ブルーシート施工費をどう考えるか

雨漏り被害を広げないため、

こちらで行ったブルーシート施工の費用をどう考えるのか。

8.天井・床などの追加工事をどう考えるか

雨漏りによって発生した、

天井、

床、

その他のやり直し工事や追加費用を、

どう考えるのか。

「相手を負かす」ための交渉にはしたくない

ここまで読むと、

「業者と戦っている」

ように見えるかもしれません。

でも私は、

今回も相手を負かしたいわけではありません。

これは普段の仕事でも、

地域活動でも、

AIを使った活動でも同じです。

自分だけが得をする。

相手に損をさせる。

どちらかが勝って、

どちらかが負ける。

私は、そういう形をできるだけ作りたくありません。

みんなが良くなることで、自分も良くなる。

そして、

自分が良くなるだけではなく、相手も良くなる。

そういう形を作っていきたいと思っています。

だから今回も、

無理な値引きを要求するのではなく、

こちらの言い分だけを押し付けるのでもなく、

まず、

「お互いは何を契約したと思っていたのか」

「実際には何を施工したのか」

「現在何が起きているのか」

を整理することにしました。

AI3者にも同じ文章を読ませてみた

今回、交渉文を作るにあたり、

ChatGPT、

Gemini、

Claude、

それぞれにも内容を確認してもらいました。

面白かったのは、

3つのAIでも考え方が少しずつ違ったことです。

あるAIは、

「見積書の2枚と実施工の二列をはっきり争点にするべき」

と考える。

別のAIは、

「質問が多過ぎると相手が防御的になる」

と考える。

さらに別のAIは、

「質問を最初ではなく、経緯を説明した後にまとめた方が良い」

と考える。

そこで私は、

どれか一つを正解にするのではなく、

それぞれの良いところを取り入れる

ことにしました。

これは、人と人との関係も同じだと思います。

今回一番学んだこと

今回の屋根工事で一番勉強になったのは、

「契約書に書いてある」だけでは十分ではない場合がある

ということです。

特に建築では、

職人さんには当たり前の言葉でも、

施主には同じ意味で伝わっていないことがあります。

「2枚」

「2列」

「棟を残す」

「防水を残す」

一つ一つは短い言葉です。

でも、

その言葉の解釈一つで、

工事内容も、

金額も、

雨漏りのリスクも、

大きく変わります。

だからこそ、

工事をお願いする側も、

工事を受ける側も、

「この一言は具体的に何を意味するのか」

まで確認した方がいい。

今回の出来事は、

私自身にとっても大きな学びになりました。

まとめ

屋根工事は、

完成すると中が見えなくなります。

防水シートも、

下地も、

瓦を戻せば見えません。

だからこそ、

工事前の説明と、

施工中の写真、

工事後の確認が非常に重要です。

今回についてはまだ話し合いの途中です。

私は一方的に相手の責任だと決めるつもりはありません。

相手にも相手の認識があると思います。

ただ、

見積書には「2枚」と書かれている。

実際には二列分が残っている。

さらにその部分の防水シートまで施工されていない。

この違いについては、

きちんと説明を受けた上で整理する必要があると思っています。

そして、

双方が納得できるところを探していきたい。

工事も、

仕事も、

人間関係も、

最後はそこだと思っています。

どちらかが勝つ世界ではなく、みんなが良くなる形をどう作るか。

今回の件も、その姿勢で最後まで向き合っていきたいと思います。

 
 
 

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